山下達郎の「クリスマス・イブ」 本人が語る時代と思い

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西本ゆか
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 今年はコロナ禍でのクリスマス。本当に大切な相手と、静かに過ごす人も多いのではないでしょうか。朝日新聞土曜別刷り「be」が「今こそ聴きたいクリスマスソング」を尋ねたところ、圧倒的な1位は山下達郎さん(67)の「クリスマス・イブ」でした。達郎さんが、名曲誕生の背景や音楽への思いを、たっぷり語ってくれました。

 ――「雨は夜更けすぎに」という歌い出しが印象的な「クリスマス・イブ」。どのように生まれたのでしょう。

 もともとは、竹内まりやのアルバムにと1981年ごろに書いた曲ですが、結局使われず、もったいないので自分でやることにしました。バロック音楽に多い「クリシェ」のコード進行から、クリスマスというテーマが浮かび、間奏にはパッヘルベルの「カノン」を使うことを思いつきました。

 僕は曲の色合いが見えてから詞を考えるタイプです。「雨は夜更け過ぎに…」のフレーズは、僕がデビューしたバンド「シュガー・ベイブ」(73~76年)時代に作った未発表曲の歌い出しがふいに頭に浮かんで、それを使うことにしました。僕はペシミスティック(悲観的)な詞が好きなので、失恋とクリスマスを合体させる形で、歌詞は短時間で書けてしまいました。

アルバム「MELODIES」(83年)に収録しましたが、後にこんな形で脚光を浴びることなど予想もしませんでした。

 ――イブの夜の新幹線ホームで再会する遠距離恋愛の恋人たちを描く、JR東海のCM曲となったのは88年12月。会うまでの不安と出会えた安堵(あんど)、高まる思いを伸びやかで透明感のある歌声で包むCMはシリーズ化されました。CM終了後もクリスマスの定番曲となり、2016年に認定された「日本のシングルチャートに連続でランクインした最多年数」のギネス世界記録を今も更新中です。

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 あのCMでは、古今東西、何…

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この記事を書いた人
西本ゆか
文化部
専門・関心分野
演劇、サブカル(主にマンガとアニメ、推し活)、食と酒 温泉、動植物