「大きな政府」へ転換めざすバイデン氏 日本経済も期待

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ワシントン=青山直篤 ニューヨーク=江渕崇 吉田拓史 新宅あゆみ 聞き手・渡辺淳基 聞き手・新宅あゆみ

 バイデン次期米政権では、経済政策も大きく変わりそうだ。同盟国にも関税を繰り出す「予測不能」のトランプ米大統領と違い、バイデン前副大統領は国際協調に戻る姿勢を示す。米中摩擦の緩和や追加の経済対策が、日本経済にもプラスになるとの期待が広がっている。

 トランプ政権は、減税や規制緩和という政府の役割を弱める経済政策と、関税を多用し、政府の統制を強める通商政策という、ちぐはぐな政策が特徴だった。バイデン次期政権は、富裕層への増税や社会保障の拡充を通じた格差の是正を図り、経済政策の面でも、市場介入を積極的に進める「大きな政府」をめざす。

 バイデン氏はトランプ減税の一部撤回や、コロナ危機に対応する巨額の財政出動を公約。党内には巨大IT企業への規制強化を求める声も強い。通商面でも、国内産業の回復を急ぎ、オバマ政権までの自由化にそのまま戻る見通しは薄い。トランプ大統領に7千万票超が投じられた選挙結果は、グローバル化への根強い反発を示す。

 トランプ政権が軽視した環境…

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この記事を書いた人
青山直篤
国際報道部次長|米州・国連担当
専門・関心分野
国際政治・経済、グローバル化と民主主義、日米関係、歴史と文学
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