ゼロから伊勢路へ たすきつなげた「無名」監督の情熱

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安藤仙一朗
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 各地域の代表校が日本一を競う全日本大学駅伝で、「無名」だった大学が第一歩を刻んだ。1日にあった第52回大会で歴代100校目の出場となったびわこ学院大(滋賀県東近江市)。異色の経歴の監督がゼロから立ち上げたチームが、伊勢路を駆け抜けた。

 名古屋市熱田神宮から三重県伊勢神宮までの106・8キロを8区間に分けて競われる全日本大学駅伝。関西地区代表の一角のびわこ学院大のメンバーは、ほとんどが初めての全国大会だった。

 出場は25校。1~6区を20~23位につけ、必死に食らいついていく。1~4区はトップからのタイムが10分以内、5~7区は15分以内に中継所に到着しないと、次の走者が繰り上げスタートを余儀なくされる。

 残り1分、50秒、40秒……。三重県松阪市の第7中継所では、繰り上げスタートまであと36秒のところで最後の走者にたすきをつなぐことができた。ここでは5チームが間に合わずに繰り上げスタートに。

 最終8区では、湯川達矢選手(4年)が優勝経験もある京都産業大を抜いて19位でゴールした。湯川選手は高校時代は無名だったが、大学入学後に力を付けたひとりだ。

 「たすきをつなげただけで100点!」

 「初陣」を見届けた吉岡幹裕(みきひろ)監督(47)が声を弾ませた。スター選手ではなかった吉岡監督がここに来るまでには、長い道のりがあった。

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 奈良県榛原町(現宇陀市)出…

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