大型加速器ILC、実現遠のく 基本構想の申請取り下げ

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石倉徹也
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 宇宙の謎に迫る大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」の国内誘致について、高エネルギー加速器研究機構(KEK)が8日、国が優先的に進める大型研究の基本構想「ロードマップ」への申請を取り下げたと発表した。岩手県などが求める早期の誘致実現は極めて難しくなった。

 ILCは日米欧で進める国際プロジェクト。岩手・宮城両県にまたがる北上山地に全長20キロのトンネルを掘り、電子などを光速近くまで加速してぶつけ、飛び出てくる素粒子ヒッグス粒子」などの性質を詳しく調べる。建設費は約7700億円で、日本が半分を負担するとされる。

 こうした大型計画は、文部科学省が3年ごとにロードマップとしてまとめ、予算化を検討する。KEKは今年2月、ILCをロードマップに申請したものの、「もっと強力な組織を作るべきだとの提案が国際将来加速器委員会からあった」として3月に申請を取り下げた。引き続き誘致をめざすとしているが、取り下げによって議論が進むことは当面なくなった。

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 ILCをめぐっては、文科省

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