福島)除染土覆わず野菜試験栽培 「説明不十分」指摘も
福地慶太郎
東京電力福島第一原発事故の除染で出た土を農地造成に使う環境省の実証事業で、除染土を別の土で覆わない野菜の試験栽培が飯舘村で始まった。同省は覆土する従来の方針の転換ではないとするが、識者からは「経緯の説明が不十分で、方針転換だとの疑念をもたれても仕方がない」との指摘が出ている。
同省は、放射性物質の濃度が基準値以下の除染土について、農地造成に使った場合の安全性を調べる事業を進めている。帰還困難区域の同村長泥地区では、除染土を厚さ50センチの土で覆って農地をつくり、花や野菜を栽培している。
ただ、同省や村、住民でつくる会合で、除染土を覆う土は山から採取したもので養分に乏しく、農地からとった除染土の方が栽培に適しているのではとの声が出た。そこで、覆土する場合としない場合でインゲンとキャベツを栽培し、育ち具合や放射性物質濃度を比べることにし、今月、種まきや苗植えをした。10月ごろに収穫し、11月以降に分析結果が出る見込み。
環境省の除染土の再利用の手…
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