マスク、手洗いで肌にトラブル 皮膚科医に対策を聞いた

栗田優美
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 在宅勤務や休校が終わり、マスクを着ける機会が増えた人も多いのでは。長時間着けていると、蒸れて肌のトラブルにつながることが心配です。手洗いや消毒を繰り返し、手荒れに悩む人もいます。どのようなことに気をつけたらよいのでしょうか。

 マスクをしていると、息で中が蒸れてくる。保湿できているような気もするが、皮膚科医の野村有子さんは「蒸れてニキビが増えやすく、肌の角質がふやけて毛穴も詰まりやすくなる」と話す。

 実際、口周りの肌トラブルが増えたという調査結果もある。スキンケア商品を手がけるザ・プロアクティブカンパニーの今月初旬の調査(10~40代の女性381人が回答)では、7割の人が「緊急事態宣言後、マスクをしている部分が肌荒れした」と答えた。具体的な症状では、ニキビができた人が6割近くいた。

 蒸れにくくするために野村さんが提案するのは、不織布マスクの内側にガーゼを1枚挟む方法。ガーゼがなければ、ハンカチや着古したTシャツなどを切ったものでも代用できる。

 ニキビができたら、ニキビ専用の洗顔料で清潔にしつつ、しっかり保湿する。野村さんは「さまざまな不安や長い自粛生活の疲れが肌に出てしまう人も多い。バランスのとれた食事や十分な睡眠でストレスを減らすことも大事」と呼びかける。

 手洗いなどで手が荒れた人もいる。アルコール消毒液や殺菌効果の高いせっけんを頻繁に使うと、必要な皮脂まで取ってしまうおそれがある。このため、外から帰った時は殺菌効果の高いせっけん、家にいる時は普通のせっけんと、使い分けるとよい。温度が高い湯も皮脂を奪うため、ぬるま湯で洗う。洗った後は、乾いた清潔なタオルでふく。

 皮膚表面の角質層には本来、雑菌が入るのを防ぐ役目がある。しかし、手が荒れると、ひび割れた角質層の隙間から雑菌が入りやすくなってしまう。また、ユースキン製薬の4月の調査では、手荒れに悩む人の約4割が「生活に支障が出ている」と答えた。

 荒れた手をケアするために、野村さんは手の状態に応じてハンドクリームを使い分けることをすすめる。

 肌がカサカサするくらいなら、保湿成分の入ったもの。少し進んでガサガサし、ひび割れたりしていたら、ビタミンEの成分が入ったもの。かかとやひじのように、硬くゴワゴワした状態になったら、尿素を配合したものを選ぶ。ただ、傷がある時は尿素入りは避ける。

 手を洗う度に塗るのが効果的だが、日中は難しいことも。寝る前に、人さし指の第1関節分くらいの量を塗るとよいという。(栗田優美)

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