検察庁法改正「国民との一体感ぶち壊す」 江川紹子さん
聞き手・根津弥 聞き手・山口栄二
東京高検検事長の定年延長を閣議決定した安倍政権が、今後も政府の判断で検察幹部の定年を延長できる検察庁法改正案を成立させようとしている。政治と検察の関係に何が起きるのか。
江川紹子さん(ジャーナリスト)
検察にとって特に大事なのは「公正らしさ」だと思います。検察が起訴や不起訴を決める場に国民はいないわけですから、「公正な判断をしているはずだ」という信頼がなければいけない。黒川弘務・東京高検検事長の定年延長や検察庁法改正案は、その信頼を損なっています。
えがわ・しょうこ
1958年生まれ。元神奈川新聞記者。オウム真理教問題や特捜事件、冤罪事件を取材。神奈川大学特任教授。
定年延長を閣議決定した後の「法解釈を変えた」との説明は非常に強引に映りましたし、理由も不透明でした。改正案には、政府が認めれば定年後も幹部を続けられる規定がある。安倍晋三首相は「恣意(しい)的な人事はしない」と言いましたが、「自分たちは公正だ」と一方的に言っても駄目。公正にやっていると国民が感じられないといけない。
そもそもなぜ今、この改正案…
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