新しい生活様式 介護では「ありえない」「根幹揺らぐ」
及川綾子 有近隆史 畑山敦子
政府の専門家会議が示した「新しい生活様式」は、身体的距離の確保や「3密」の回避、外出を控えることなどを例示した。介護の現場では、感染時の重症化リスクが高い高齢者を守らなければならない一方で、安全のために身体的な接触は避けられず、また触れあいによる「ケア」が重要ともされてきた。携わる人々は悩む。
専門家にだけ言わせるのでは
8日、神奈川県内でデイサービスを提供する事業所が自粛中のサービスを約1カ月ぶりに再開した。管理者の男性によると、利用人数は通常に比べて6割ほどだったが「やっと来られた」とホッとした表情の人も多かったという。
再開にあたって、国の専門家会議の提言をスタッフに説明し、密集・密閉・密接を避けるために施設内のレイアウトを変えたり、リハビリ器具の消毒回数を増やしたりした。
男性は「感染を予防する観点から言うと、ああいう形になるのだろう」と思う。ただ現実のデイサービスでは、入浴など身体介護が不可欠だ。「体に触れない介護はありえない。あの通りにやろうとすると何もできなくなる」
専門家会議の提言が先行して…
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