埼玉)3500本分析集大成 できたワイン「特徴なし」

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釆沢嘉高
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 世界のワイン約3500本の分析結果を注ぎ込んだ新しいワインを、さいたま市のベンチャー会社が開発した。南フランスのブドウを使った特注品。だが、「何も特徴がない」のが特徴で、名前も「基準のワイン」。こんな味気ない代物を、なぜわざわざ作ったのか――。

 話の舞台は、約20年前、愛知県内にできたレストランにさかのぼる。

 当時20代半ばだった同県安城市のソムリエ、神谷豊明さん(44)はある悩みを抱えていた。同じ甘口ワインでも、客によって「甘過ぎる」と言ったり「甘さが足りない」と言ったり。味の「物差し」がまったく違う現実を見たのだ。

 ワインとは別の食べ物で嗜好…

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この記事を書いた人
釆沢嘉高
西部報道センター次長
専門・関心分野
事件、労働福祉、人権、調査報道