(書評)『人外』 松浦寿輝〈著〉

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 ■神か、けだものか 境界に生きる

 「人外」というコンセプトに、この小説のすべてが賭けられている。

 主客未分の境地に生まれた主人公は、次第に自己意識を獲得し、一人称単数の主体として世界を認識してゆく。現代哲学を踏まえた、ある種の精神現象学であり教養小説だが、問題は、ヘーゲルやゲーテのそれとは違っ…

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