遠野に注目 3・11 「その時そして」能登のためにできること㊥

有料記事

小泉浩樹
[PR]

 能登の復興に関わる民間経営者や行政職員が、岩手の被災地を回る2泊3日のツアーで、2日目の朝に訪れたのが「遠野市後方支援資料館」だ。館内には、震災発生時、市役所に集まってきた情報を書きこんだホワイトボードがそのまま保存されたり、当時の経緯を記したパネルが展示されたりしている。当時の市長、本田敏秋さんが震災で遠野市が果たした役割を記録として残そうと資料館の建設を決めた。

 遠野市は東日本大震災で、沿岸地域へのボランティアや物資を中継する後方支援拠点として機能した。行政とNPOなどの民間が連携をした活動は「遠野モデル」と呼ばれ、全国から注目を集めた。市長を務める多田一彦さんは震災直後に立ち上がったNPO「遠野まごころネット」で民間側の中心的存在だった。

 震災間もない頃、被災地ではニーズがないのにボランティアが押しかけてトラブルになるなど混乱していた。それらをまごころネットが間に入ることで防ぎ、そうした活動が知られるにつれて、ボランティアが遠野に集まった。情報やニーズは遠野に集約され、効率的な支援が進んだとされる。

 能登半島地震では、道路など…

この記事は有料記事です。残り794文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら