「イスラエルの平和を」クリスチャンの柴橋・岐阜市長が大使館に声明

高木文子
[PR]

 イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘をめぐり、岐阜市柴橋正直市長は7日、クリスチャンの政治家でつくる団体の会長として「イスラエルの平和のために祈る。イスラエルの側に立つ」との趣旨の声明を在日イスラエル大使館に届けたことを明らかにした。声明ではイスラエル、パレスチナ双方の犠牲者への哀悼の意も示した。

 市議会一般質問で、5分弱にわたり聖書の言葉を引用しながら答弁した。

 答弁などによると、柴橋氏は8月23日、市内の長良川で開かれた宮内庁主催の「外交団鵜飼(うかい)接待」に、公務として参加。鵜飼いには駐日イスラエル大使夫妻ら16カ国の大使らが訪れた。柴橋氏は「お礼方々(イスラエル大使館に)訪問を予定していた」という。

 柴橋氏は10月17日、政務でイスラエル大使館を訪れ、クリスチャン政治家約50人でつくる団体「オリーブの会」の会長として声明を手渡した。声明の趣旨について、答弁で「イスラエル、パレスチナ双方の平和を祈る」「福音の完成を祈る。すなわちイスラエル人もパレスチナ人も、アラブ人も皆イエス・キリストを救い主として受け入れ、救われることなしに平和は訪れないことを明確にしている」などと述べた。

 質問した堀田信夫市議(共産)は「イスラエルが日々行っていることに言及がない。正当化するのか」と重ねて尋ねたが、柴橋氏は「私はクリスチャンであり(聖書にある)エルサレムの平和を希求することが大前提」と述べるにとどめた。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2023年12月31日17時0分 投稿
    【視点】

    「政治家と宗教」の関係について考える上では、なかなか興味深い、いくつもの論点を含んでいる事案だと思いました。たとえば、2000年の森喜朗首相の神道政治連盟国会議員懇談会における「神の国発言」や、政治家の靖国参拝の例と比べてみる必要があります

    …続きを読む