日本主導「法の支配」討論に高い関心 中小国からは賛同、大国には溝

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遠田寛生=ニューヨーク 上地一姫
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 国連安全保障理事会は12日、ニューヨークの国連本部で「法の支配」についての公開討論を開き、各国が論戦を交わした。安保理では、ウクライナに侵攻したロシアと、強権的な外交を展開する中国がいずれも拒否権という圧倒的に強い「武器」を持つ。日本はこうした国々を牽制(けんせい)する意図も込め、1月の議長国として「法の支配」という理念を軸とした議論を主導した。

 討論には、異例ともいえる77もの国や地域が参加し、国際的関心の高さをうかがわせた。午前10時から始まった討論は、昼休み約2時間をはさみ、午後8時前まで続いた。議長を務めた日本の林芳正外相は演説で「法の支配のもとでは、どの国も力や威圧によって国境を書き換えることは許されない」と強調した。

 ただ、現実には、国連憲章国際法などの法秩序に反するロシアのウクライナ侵攻に際し、国連は実効的な手立てを打てていない。安保理でロシアが拒否権を持っているためで、国連は存在意義が根底から問われる局面にある。

 討論では、米国のトーマスグ…

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