年200万円の海外遺族年金に、相続税700万円 受給者側「争う」

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 外国の公的年金に加入していた夫を亡くし、遺族年金を受給していた関西の女性が、国税庁から巨額の相続税を納めるよう求められた――。そんな記事を先月掲載したところ、関東の女性からも同じような話が寄せられた。日本の遺族年金には相続税がかからないため、女性らは「不平等だ」と訴えている。

「あす死ぬかもしれないのに」

 関東に住む女性(68)は昨夏、地元の税務署から突然、税務調査を受けた。米国の公的年金に加入していた夫がその約2年前に亡くなり、遺族年金をもらう権利を得たことが相続税の対象になると指摘され、約700万円を納税するよう求められた。

 夫は国内企業の米国駐在員として働き、現地の公的年金に加入を義務づけられて計12年間保険料を支払った。

 女性が受け取る米国からの遺族年金は月に約17万円。年間約200万円なので、納税を求められた額はその3年半分にもなる。

 4人の子はすでに成人しているため、女性が亡くなれば遺族年金は誰も受け取れない。

 「あす死ぬかもしれないのに」。税務署の担当者の説明に対し、思わずそんな言葉が出たという。

 納税額が巨額になったのは、平均余命まで生きた場合に受け取る遺族年金をもとに計算する仕組みだからだ。

平均余命の24年分に課税

 夫が亡くなった時、女性は6…

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