男性育休9カ月希望、面談で上司が放った許せない言葉 妻は激怒した

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遠藤隆史

 「前にも伝えた通り、来年3月まで9カ月間、育休を取ろうと思っています」

 今年5月、関東地方の企業に勤める30代の男性は上司との面談でそう切り出した。

 別の会社で働く妻の妊娠がわかったのは昨冬。出産予定は7月だった。夫婦ともに正社員。自分も子育てに主体的に関わりたい思いが強く、育児休業を取る予定を立て、上司には前回の面談でも伝えていた。

 ただ、休む間の職場の人繰りをどうするのか、自分の仕事を誰に引き継げばいいのか――。その後、上司からは何も言われず、確認のために改めて機会を設けてもらったのが、この面談だった。

 しかし、男性はいまも、この日の上司の言葉を許せずにいる。1時間近くの面談で、今も記憶から消せない言葉がいくつもあった。

 面談でのやりとりで上司が言い放った数々の心ない言葉に、男性は崩れ落ちるような衝撃を受けました。そして、面談の内容を報告された妻が抱いた怒りとは。記事の後半では、男性の育休を後押ししようと1年前に改正された育児・介護休業法の解説や、男性の育休取得率を上げるための識者の提言も紹介します。

「こんなことまで言われるのか」上司に失望

 上司は開口一番、こう言った…

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この記事を書いた人
遠藤隆史
東京社会部|最高裁担当
専門・関心分野
司法、労働、福祉
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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2022年6月29日9時46分 投稿
    【視点】

    記事を読んだ初めの感想は、「この上司、XXだな」のひと言でした。 記事から連想したのが、尾崎衣良さんの漫画「深夜のダメ恋図鑑」に登場する、子育てをしている共働き夫婦の話でした。エピソードでは育児と家事はほぼすべて女性側に負担となっている状

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2022年6月29日10時20分 投稿
    【視点】

    経済学者の山口慎太郎先生は『「家族の幸せ」の経済学』(光文社新書)の中で、育休は「伝染」すると指摘しています。現在は多くの父親が育休を取得するノルウェーでも、かつては現在の日本と同じように育休を取得する男性は少数派でした。しかし、労働者の立

    …続きを読む