コロナワクチンの治験中断、日本に影響?危うい開発競争

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中田絢子 富田洸平 野口憲太 合田禄 ワシントン=香取啓介 ロンドン=下司佳代子 北京=高田正幸
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 新型コロナウイルス感染症の予防用のワクチンについて、英製薬大手アストラゼネカは8日、最終段階に入っていた臨床試験(治験)の一時中断を明らかにした。副反応(副作用)かどうかなど詳細は明らかになっていないが、国内外で急ピッチで開発が進む中、慎重さを求める声が強まっている。

 アストラゼネカの報道担当者はメディア向けの声明で「安全性データの検証のため、ワクチン接種を自主的に停止した」と明らかにした。「原因不明の病気が起きている可能性がある」としているが、詳細は明らかにしていない。ニューヨーク・タイムズは関係者の話として、英国で治験の参加者が、痛みやしびれを起こす横断性脊髄(せきずい)炎と診断されたと報じた。ワクチン接種との関連はわからないという。

厚労省「珍しくない」、専門家「よくあることではない」

 治験は一般的に100人以下…

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この記事を書いた人
合田禄
アメリカ総局|科学・米国政治担当
専門・関心分野
科学、医療、気候変動、宇宙開発
香取啓介
編集委員
専門・関心分野
環境・エネルギー、テクノロジー、科学政策、国際関係