(ひととき)気付かされた幸せ

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 「コトン、コトン」

 ブロック塀に当たるボールの音が、また聞こえ始めた。音の主は、近所に住むおいっ子。野球好きの小学6年生だ。じいちゃんである義父の帰りを見計らい、キャッチボールをしにやって来る。

 あるとき彼は「小川って、名字ランキングで何位?」と私に問うてきた。「30位だね、39万4千人だって…

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