(書評)『星の時』 クラリッセ・リスペクトル〈著〉

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 ■哀れな少女の話をなぜ書くのか

 視界不良の霧の中、案内人に手を取られゆっくり進むうち、周囲の状況がクリアになってくる――。小説にはまれにそんな読書体験こそが最大の面白さとなる作品がある。物語世界と自分が同期する感覚。本書を読む際に性急さは禁物で、語り手の饒舌(じょうぜつ)なお喋(しゃべ)りに気長…

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