(書評)『猫がこなくなった』 保坂和志〈著〉

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 ■絵のマチエルに似た言葉の迷路

 もう5年以上も前から、わが家に顔を出す黒猫がいる。餌を食べるとプイと消える。野良にしては太っている。わが家以外にも行くところがあるという地域猫だろうか。同じ経験をするこの小説に登場する高平君は、自分こそ「実質上の飼い主」だと思っている。

 その彼のところにくる「レ…

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