(声)散髪で確かめ合う夫婦の幸せ

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 無職 渡部清恵(東京都 69)

 夫の散髪を私がした時のこと。「何だこれは」。怒った顔で私をにらみつけた。「床屋へ行く」と飛び出したが、すぐ戻ってきて、再び鏡に向かった。油性ペンを手にし、耳の上の虎刈りになった部分を塗り始めた。私は申し訳なさより滑稽さが先立ち、噴き出しそうになるのを必死にこらえた…

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