(書評)『どこからお話ししましょうか 柳家小三治自伝』 柳家小三治〈著〉

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 同年代の人物の自伝を読むと、時代の共有感が味わえる。戦時下、5歳の時、遠目に仙台空襲を見る。「きれいだなあ」と言ってひっぱたかれる。私もB29が編隊を組んで飛んでいくのを見て、同じ言を口にして殴られた。「私も戦争を知っている一人」という語に頷(うなず)く。

 落語家としての歩みの中に、新時代の空気…

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