(書評)『逃亡小説集』 吉田修一〈著〉

有料記事書評

[PR]

 ■弱い人間の焦燥感をすくい取る

 当節、幅広い層から人気を集める著者の、『犯罪小説集』につづく短編集の第2弾である。

 冒頭から言っておくと、あの傑作『悪人』でもわかるように、著者が読者を唸(うな)らせる最大の切り札は私たちが疑いもなく信じこんでいる既成概念に疑問を投げかけ、ときに躊躇(ちゅうちょ…

この記事は有料記事です。残り796文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら