(書評)『アメリカのニーチェ ある偶像をめぐる物語』 ジェニファー・ラトナー=ローゼンハーゲン〈著〉

有料記事書評

 ■読者に照準、野心的な「受容史」

 近代アメリカの思想を駆り立てたのはF・ニーチェとの対決である。その解明のためには、著者ではなく読者の変遷に照準する「受容史」こそがアンビシャスであることを論証する話題の書。当初、ドイツの正典からの逸脱を、ポーランド出自姓と結びつけられさえした疎遠な思想家が、「ニ…

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