日本産水産物の中国向け輸出、再開で合意 処理水巡り2年間全面停止

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 東京電力福島第一原子力発電所からの処理水放出を受け、中国が実施していた日本産水産物の輸入禁止が、解除される見通しになった。農林水産省が30日、中国への日本産水産物の輸出再開に向けた手続きを進めることで日中両政府が合意したと発表した。

 農水省によると、両国の当局が北京で協議し、輸出再開に必要な手続きについて28日に合意した。福島などの10都県を除く、37道府県の水産物が対象となる。輸入禁止前から求められていた放射性セシウムの検査証明書などの添付が引き続き必要になる。製造加工など日本側の輸出関連施設の再登録の手続きが終わり次第、輸出が再開される見通し。

 小泉進次郎農水相は30日の閣議後会見で、「重要な輸出品目である水産物について、中国向け輸出が再開されることは大きな節目だ」と話した。輸出の再開時期は、「具体的な時期については予断をもって申し上げることは難しい」と述べるにとどめた。

 中国は、福島第一原発の処理水が海洋放出されたことを理由に、2023年8月から日本産水産物の輸入を全面停止している。日本は「規制の即時撤廃」を求めて両国間で交渉が続き、昨年9月には全面禁輸措置の緩和で合意。その後も両国の実務者間で協議を続けていた。

 中国は福島第一原発事故後…

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    遠藤乾
    (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
    2025年5月31日14時49分 投稿
    【視点】

     不満足な、小さすぎる一歩です。正しい方向に中国が踏み出しているとはいっても、もともとネガティブなものを少し戻すという程度でしかない。  この15年ほど、日中関係にはネガティブなことが蓄積されすぎ、次世代にまたがる両国間関係の改善を妨げてい

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