パリに輝くミシュランの星 女性すし職人が世界初 亡き夫との約束

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パリ=宋光祐
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 料理の世界で最も知られたレストランのガイドブック「ミシュランガイド」の2025年フランス版で、パリの木村千鶴子さん(55)が女性のすし職人として世界で初めて星を獲得した。3年前にがんで亡くなった夫から託された思いが、木村さんにすし職人としての挑戦を決意させた。

 観光客でにぎわうパリ北部モンマルトルの丘の静かな通りにたたずむ「鮨(すし) 俊英(しゅんえい)」。カウンター9席の小さな「すし屋」は連日、午後7時の開店と同時に満席になる。木村さんは白衣に身を包み、本格的な江戸前ずしを楽しみに来るお客さんを「つけ場」で迎える。

 フランス版ミシュランガイドは3月末、「鮨 俊英」を一つ星に格付けした。「巧みな握りの技術と様々な仕事がなされた極上の魚、繊細な味付けが感覚的な旅を保証してくれる」と絶賛。木村さんは120年の歴史を持つミシュランガイドで、日本を含む世界で初めて星を獲得した女性のすし職人になった。

 店を開業したのは、05年に…

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この記事を書いた人
宋光祐
パリ支局長
専門・関心分野
人権、多様性、格差、平和、外交