コロナワクチン「誤情報が死者数に影響」東大などがシミュレーション

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後藤遼太
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 「新型コロナワクチンの有効性データは捏造(ねつぞう)されている」などといった情報の影響がなければ、死者数を減らすことができた――。ワクチンに関する誤情報について研究している東京大と東北大のチームが、こんな研究成果を国際科学誌に発表した。

 東大新世代感染症センターの古瀬祐気教授(感染症学)と東北大の田淵貴大准教授(公衆衛生学)の研究チームが、新型コロナのワクチン接種が始まった2021年に約3万人を対象にオンラインで実施されたアンケートを元に、数理モデルを用いたシミュレーションで解析した。

「431人の死」防げた計算

 アンケートでは、「ワクチンの安全性のデータは捏造されている」「製薬会社はワクチンの安全性についての懸念を隠蔽(いんぺい)している」「政府は予防接種と自閉症の因果関係を隠している」など、七つの誤情報について信じているかどうかを聞いた。一つでも信じていると答えた人は、ワクチンを接種しないと決めた「忌避者」では36.6%に上った。ワクチン接種済みや接種予定の「受容者」では8.5%だった。

 研究チームの推定では、21…

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この記事を書いた人
後藤遼太
東京社会部|メディア班キャップ・平和担当
専門・関心分野
戦争や平和について、歴史
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    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2025年5月31日14時21分 投稿
    【解説】

    こういう医療情報記事は重要ですね。もちろんワクチン接種は最終的には個人の自由であるべきですし、新しいワクチンに対して一定の不安があること自体は仕方ないことですが、誤情報を信じないでいたら救えた命があった可能性というのは無視できないはずです。

    …続きを読む