3種類のトランプ関税、まるごと解説 目的は?税率は?各国交渉は?

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ワシントン=榊原謙 高野遼
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 トランプ米大統領は1月の第2次政権発足以来、いくつもの関税政策を連打してきた。国ごとに課す関税もあれば、特定の品目に絞ってかける関税、そしてほぼ全世界の幅広い品目に網をかけるものもある。

 これまでに発動された主な関税や、各国との交渉がどうなっているのか、まとめて解説する。トランプ関税には大きく三つの種類があり、順を追ってみていこう。

1. 特定の国への関税

 トランプ氏が就任後、まず手を付けたのが中国、カナダメキシコの3カ国への関税だ。中国で原材料がつくられ、メキシコとカナダから米国に流入しているとされる合成麻薬「フェンタニル」について、この3カ国の取り締まりが甘いというのが理由だった。

 とはいえ、中国は米国にとって最大の貿易赤字国、メキシコは最大の輸入相手国だ。貿易赤字を問題視するトランプ氏にとって、表向きの理由はどうあれ、まずこの2カ国に関税をかけることは優先順位が高かったとみられる。

 なお、カナダとメキシコからの一部の輸入品については、関税を免除する救済措置がとられた。

2. 品目ごとの関税

 続いて導入したのが、米国が…

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この記事を書いた人
榊原謙
アメリカ総局|米国経済担当
専門・関心分野
米国経済、世界経済
高野遼
アメリカ総局
専門・関心分野
国際ニュース
  • commentatorHeader
    亀田制作
    (SOMPOインスティチュート・プラス)
    2025年5月26日15時31分 投稿
    【視点】

    以下、単なる感想に過ぎず誠に申しわけありませんが、この手のまとめ解説記事は大いに助かります(続く各品目の税率解説も)。 経済に一大事件が起きて、状況や政策対応が刻々と変化していく局面では、日々それを追いかけるだけで精一杯になりがちですが、

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