役所の名札「ビジネスネーム」OK カスハラ対策で、大阪府寝屋川市

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西崎啓太朗 仙道洸
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 大阪府寝屋川市は4月、窓口担当の職員が名札に本名とは別の「ビジネスネーム」を使うことを認めた。市は「官公庁では初めての取り組みだろう」と説明する。背景にあるのは、顧客などから理不尽な要求や暴言などを受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)だ。

 業務中に身に着ける名札のリニューアルに合わせた取り組み。名札は従来、顔写真とともに「さとう」「たなか」などと、姓をひらがなで表記していた。今回、全職員の顔写真をなくし、希望する窓口職員には本名ではないビジネスネームの使用を認めた。これまでに1人から申請があったという。

 市人事室の上之園(うえのその)武訓(たけのり)室長はビジネスネームの目的を「職員からカスハラや逆恨みの不安をなくし、安心して働くことができる環境づくりの一環」と説明する。

 同市では、窓口職員が利用者から長時間どなられたり、脅迫めいた言葉をぶつけられたりといったことがたびたびあるという。職員の名前をめぐっても、名前の情報から個人を特定され、SNSで「友達になってほしい」と声をかけられるトラブルがあった。個人情報が特定されない手段としてビジネスネームを考えたという。

難しい公務員のカスハラ対策

 使える名前は「市民対応にふ…

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この記事を書いた人
西崎啓太朗
ネットワーク報道本部|大阪駐在
専門・関心分野
移民、難民、宗教、災害、中東地域
仙道洸
ネットワーク報道本部|西成・動物園担当
専門・関心分野
在日コリアン、在日外国人、司法