iPS細胞「患者治してなんぼ」 あえて条件厳しい治験選んだ研究者

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後藤一也 藤谷和広
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 京都大学の研究チームによるiPS細胞を使ったパーキンソン病治療の治験結果が17日、公表された。iPS細胞の作製発表から19年。iPS細胞を使った再生医療製品はまだ世界にない。今回の治験結果を受け、承認申請される見込みで、iPS細胞を使った細胞治療としては「トップランナー」となる。

 「症状が良くなった患者さんがいたのは素直にうれしく思う。僕たちの作ってきた治療を実際に受けてくださった患者さんに感謝したい」

 今回の治験を主導したのは、京都大iPS細胞研究所の高橋淳教授(63)。20年以上にわたり研究を続けてきた。安全性が確認され、患者6人中4人の症状が改善した治験結果について、笑顔で語った。

 治験が始まったのは2018年8月。その直前、高橋さんは「論文を書くことも重要だが、脳外科医としては患者を治してこそ。ようやくスタート地点に立てた」と話していた。それから6年半、治験の結果を公表できるタイミングになった。

 パーキンソン病はドパミン(…

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この記事を書いた人
藤谷和広
くらし科学医療部|医療、災害
専門・関心分野
民主主義