絶望から生まれた二つの命を支える 壊れる国、癒やす若者たちの力

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カッサラ=今泉奏
【動画】スーダン紛争2年、終わりの見えない人道危機=今泉奏撮影
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 2カ月違いで母親になった21歳の姉と16歳の妹は、我が子に力なくほほえむ。「父親はわからないし、知りたくもない。忌々(いまいま)しい記憶に、死にたくなってしまうから」

 姉妹と同じ避難民で、心理カウンセラーのマルサ・オマルさん(31)は、絶望を吐き出す姉妹の声に耳を傾け、その手を強く握った。

 スーダンで国軍と準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)の紛争が始まり、15日で2年が経つ。犠牲者は15万人にも上るとされる紛争地で、傷つく市民にボランティアで寄り添うマルサさんたちのようなグループが生まれている。「緊急対応室」(ERR)と呼ばれる市民団体で、昨年のノーベル平和賞候補になった。

相次ぐ性暴力 「故郷には戻らないと決めた」

 ERRは長年の軍政に反発し…

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この記事を書いた人
今泉奏
ヨハネスブルク支局長|サハラ以南アフリカ担当
専門・関心分野
アフリカ、植民地主義、グローバルサウス