中米に追放した男性を「連れ戻せ」 米連邦地裁がトランプ政権に命令

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ニューヨーク=田中恭太
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 トランプ米政権によって3月、中米エルサルバドルに追放された米メリーランド州の男性(29)について、同州の連邦地裁は4日、政権側に「7日までに米国に戻さなければならない」との命令を出した。同地裁は、男性には強制送還を禁じる保護資格が与えられており「追放は違法だった」と認定した。

 不法移民対策を公約に掲げる政権は3月、ギャングのメンバーなどとされる250人以上の外国人をエルサルバドルに追放した。男性はその一人だった。トランプ政権は裁判で、男性の追放を「行政上の誤りだった」と認めており、ずさんな対応として波紋を広げている。

 米紙ニューヨーク・タイムズNYT)などによると、男性はエルサルバドルからの移民。同国に戻ると危害を加えられる恐れがあるとして、2019年に裁判所から保護資格が与えられていた。だが、今年3月12日に当局に拘束され、出身国であるエルサルバドルに送られた。その後、男性側が提訴していた。

 政権側は今月1日に地裁に出した書面で、男性を追放したのは誤りだったと認め、米メディアで大きく報じられた。一方、命令には上訴し、米国に連れ戻す措置は取らない構えだ。

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この記事を書いた人
田中恭太
ニューヨーク支局
専門・関心分野
国連、米国社会、国際情勢、裁判、独占禁止法
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