「能あるタカは爪を出せ」 F1角田を推したホンダ関係者の期待

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田村隆昭
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 自動車レースの最高峰、F1に参戦する角田裕毅(24)が、ドライバー部門の年間王者を4年連続で出した強豪チーム・レッドブルに電撃移籍を果たした。年間王者が在籍し続けるトップチームのマシンに日本人が乗るのは、日本人が通年参戦するようになった1987年以降で初の快挙だ。

 新天地での初陣は、4日に開幕した「ホーム」の日本グランプリ(GP)。角田をサポートしてきたホンダ関係者は、新たな始まりを固唾(かたず)をのんで見守った。

 「これ、似合ってます?」

 開幕前日の3日、三重県鈴鹿市鈴鹿サーキット。日本GP用に特別に仕立てられた紅白のレーシングスーツ姿の角田は、そう言っておどけた。それを見た渡辺康治さんは、「似合ってるよ」と答えつつ、「緊張せず、わくわくしているんだな」と安心した。

 渡辺さんは、F1の動力源であるパワーユニット(PU)を製造するホンダの子会社、ホンダ・レーシング社長。ホンダの育成ドライバーだった角田がF1の下位カテゴリーで戦っていた時から見守ってきた。

 「F1でワールドチャンピオンになりたい」

 デビュー前から、はっきりと目標を語る角田に驚かされた。

 大きな夢を描き、それを物おじせず語る。こうした「自分を信じる力」が角田の強みだという。

 角田は、レッドブルと提携する中堅チーム「アルファタウリ(現レーシングブルズ)」で2021年に20歳でF1デビュー。日本人としては最年少記録だった。

 F1での経験を重ね、生来の、タイヤを含めた車をコントロールする力に磨きがかかった。

 その一方で、物おじしない性…

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