新年度を迎えた1日、多くの企業で入社式があった。少子高齢化で学生優位の「売り手市場」とされるなか、エンタメ要素を取り入れて新入社員をもてなし、会社への愛着を高めて人材の定着を図ろうと工夫する企業が目立った。

　キリンホールディングスが東京・中野の本社で開いた入社式には、サッカー日本代表の森保一監督がサプライズで登場し、会場を沸かせた。キリングループは日本サッカー協会のオフィシャルトップパートナー。森保氏が「選手には（当たり前のことを徹底してやり抜く）凡事徹底と、チャレンジすることを伝えている」と話すと、新入社員から「W杯の大舞台に臨む際、緊張との向き合い方を教えてください」と質問が飛んだ。

　森保氏は「自然体で自分のやってきたことを全てぶつけている」と答えた。さらに、新入社員らには「皆さんには仲間がいる。助け合い、問題を解決し、力をつけてほしい。ハードな仕事は楽しみ、やりがい、充実感がないと続かない。楽しむ気持ちを忘れずに、社会のために頑張っていきましょう」とエールを送った。新入社員の柏原正宗さん（24）は「森保監督の『攻めの姿勢』を仕事にいかしたい。人々が幸せを感じるお酒をつくりたい」と話した。

　森永乳業が都内で開いた入社…