昨年の自殺者数2万320人、2番目に少なく 小中高生は過去最多に

川野由起
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 2024年の自殺者数(確定値)は2万320人で、前年から1517人減少し、統計をとり始めた1978年以降で2番目に少なかった。一方で、小中高生は前年比16人増の529人で、統計のある80年以降で過去最多となった。厚生労働省が28日、発表した。

 全体の内訳は、男性が前年比1061人減の1万3801人で、3年ぶりに減少。女性は同456人少ない6519人となり、2年連続で減った。職業が判明した人のうち、「有職者」は8092人、年金生活者や主婦(夫)も含む「無職者」は1万800人だった。原因や動機は「健康問題」が1万2029件で最多、「経済・生活問題」「家庭問題」と続いた。東日本大震災に関連する自殺は初めてゼロとなった。累計は252人。

 全体で減少傾向が見られるなか、年齢別では19歳以下の女性が前年から51人(約13%)増加。職業別では「学生・生徒等」のみが増えた。

 小中高生の内訳は、小学生15人、中学生163人、高校生351人。前年から男性は20人減り、女性が36人増えた。特に中学生の女性が19人(約24%)、高校生の女性が19人(約11%)増えた。月別でみると、9月が最も多い59人だった。

「学校問題」最多 小中高生の原因や動機

 小中高生の自殺の原因や動機は、「学校問題」が272件と最多。「健康問題」「家庭問題」「不詳」「その他」と続いた。「学校問題」では「学業不振」が最多の65件、「学友との不和(いじめ以外)」60件、「進路に関する悩み(入試以外)」51件と続いた。「入試に関する悩み」は33件、「いじめ」は9件だった。

 政府は23年に「こどもの自殺対策緊急強化プラン」をまとめた。厚労省は学校や市町村が自殺未遂や自傷行為をした子どもを支援するため、必要な助言をする精神科医などの専門家チームを都道府県や指定市などに配置する事業を進めている。また、こども家庭庁は、自殺未遂をした子どもや家庭を支えるための調査研究を新たに行う。

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この記事を書いた人
川野由起
くらし報道部
専門・関心分野
こどもの虐待、社会的養育、アディクション