天台宗の性暴力問題、住職に「罷免」 大僧正は懲戒規定に該当せず

清水謙司
[PR]

 天台宗の寺で約14年にわたって住職から性暴力や恫喝(どうかつ)を受けたとして、四国の50代の尼僧叡敦(えいちょう)さんが住職ら2人の僧籍剝奪(はくだつ)を求めている問題で、宗の裁判所にあたる審理局が、この住職に対して罷免(ひめん)とする審判結果を出したことが27日分かった。加害の手助けをしたとされる大僧正(大阿闍梨〈あじゃり〉)は、懲戒規定に該当しないと判断したという。関係者への取材で分かった。

 宗は叡敦さんの申し立てを受け、2024年11月、懲戒審理が相当と判断し、2人を審理局の審理にかけると発表。今年1月に非公開で1回目の審判会が開かれた。

 宗務庁によると、審判結果に不服申し立てができる期間が20日間あるという。審判結果の内容については、「(不服申し立ての)期間中につき、お答えすることはできない」としている。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
清水謙司
京都総局|歴史、社寺文化財
専門・関心分野
歴史、社寺文化財、文芸、民俗、食文化、人権問題
  • commentatorHeader
    塚田穂高
    (文教大学国際学部教授・宗教社会学者)
    2025年3月31日14時12分 投稿
    【解説】

    天台宗尼僧への性暴力問題。被害者尼僧側が僧籍剥奪の「擯斥」などを求めていましたが、当の住職への天台宗からの処分は、その一つ下の「住職、教会主管者又は代務者の職を免ずる」という「罷免」の判断です。「住職」ではなくなるものの、そのお寺に「僧侶」

    …続きを読む