愛さえあれば…障害ある子の母を追い込む理想像 繰り返す事件は問う

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松本千聖
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 医療的ケアが必要な子どもや、障害のある子どもが亡くなり、親が逮捕される。そんな事件が相次いでいる。似た構図の事件が繰り返される背景には何があるのか。著述家で、障害のある娘の母親でもある児玉真美さんに話を聞いた。

 「娘の主治医が私の限界に気づいてくれなかったら、私か娘のどちらか、あるいは両方が死んでいた」

 児玉さんは、著書「私たちはふつうに老いることができない」の中で、長女・海(うみ)さん(37)のケアで過酷だった日々をつづっている。

 海さんは、死産に近い状態で生まれ、寝たきりとなった。「障害のある子どもの親になる」という経験は、自らの人生を激変させたという。

 仕事をやめて家でみる生活を始めたが、容体の安定した日は3日と続かず、児玉さんの心身はすり減り、うつになった。海さんを連れて死のうと考えたこともある。

繰り返される事件 見えない将来、親の老い…

 昨年から今年にかけ、医療的…

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この記事を書いた人
松本千聖
くらし報道部
専門・関心分野
医療、子どもや女性の健康、子育て