きっかけは「ゲーム機が壊れた」ヒアリを寄せつけない砂、小4が開発
強い毒性と繁殖力をもつヒアリの被害を抑える――。そんな効果がある砂を小学4年生の少年が開発し、企業と連携して実用化をめざしている。研究のきっかけは、使っていたゲーム機が突然、壊れたことだった。
東京都品川区の正能佳明さん(10)が一昨年の秋、公園で遊んでいたところ、持っていたゲーム機が動かなくなってしまった。
業者に修理を頼むと、本体の隙間からアリが入り込んだことが原因だと分かったという。
アリについて調べ始めた佳明さん。ある物質に目をつけると、自ら専門家や企業にメールを送り、現場での実験を重ねるなど、開発に没頭します。その動機や詳しい経緯は……。
アリの行動が気になり、インターネットで調べてみると、自宅近くの大井埠頭(ふとう)で発見されたヒアリにも、温かい機械の中に入り込む習性があると知った。
外来種のヒアリはその名の通り、刺されるとやけどのような強い痛みがでることが特徴だ。強いアレルギー反応「アナフィラキシーショック」を引き起こすこともある。
生まれつきハウスダストやダニなどに重度のアレルギーとぜんそくがある佳明さんは、息が苦しくなり、つらい思いを何度もした。発作が出る食べ物のかけらが落ちているかもしれないからと、少し前まで友だちの家にも遊びにいけなかった。
何も気にせず思い切り遊べるのが近所の公園のはずだったが、「もしもヒアリがそこらじゅうに出てしまったら嫌だな、怖いなって。なんとか食い止めたいと思った」。
そんなとき、研究好きの佳明…
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- 【視点】
学校の理科・物理・化学などの教養知識だけではこのような好奇心を深掘りすることは難しい.このような活動は個別対応になり,教員に深い知識と時間が求められる.一方で科学の本当の楽しさはこのような活動にあり,本当であれば研究活動をより多くの人に体験
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