子どもの近視を防ぐには 屋外活動増やすと効果、国内初承認の目薬も

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桜井林太郎

 若年化傾向が進む子どもたちの近視。京都大のグループの研究では、国内での新規発症率は8歳がピークで、3~8歳では経年的にも増加傾向だ。防ぐにはどうすればいいのか。進行を抑制する目薬が国内で初めて薬事承認されたほか、屋外活動の時間を増やすと子どもの近視発症に予防効果があると高い信頼性で示されている。

 目に入ってきた光は、レンズにあたる角膜と水晶体を通って屈折し、スクリーンにあたる網膜に像が映し出される。近視の大部分は、角膜から網膜までの眼軸の長さが長すぎるタイプで、遠くを見たときに水晶体の厚さを薄くしても手前でピントが合い、網膜上でピントが合わない。

 昨年末、近視の進行を抑制する目薬が国内で初めて薬事承認された。主に小児を対象に、参天製薬(大阪市)が申請した「アトロピン硫酸塩水和物」(商品名リジュセア)で、今春にも販売が始まる。網膜や強膜(眼球の外側を覆う白色の膜)に作用して、強膜が薄くなるのを邪魔することで眼軸が延びるのを抑え、近視の進行を抑制するという。ただし、ふつうの光をまぶしく感じやすいなどの副作用も報告されており、現段階では公的な医療保険の対象外だ。特殊なコンタクトレンズや眼鏡を使った治療もあるが、いずれも自由診療だ。

 医療行為だけでなく、子ども…

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この記事を書いた人
桜井林太郎
科学みらい部
専門・関心分野
環境・エネルギー、先端技術、医療、科学技術政策
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    藤田結子
    (社会学者)
    2025年3月18日11時58分 投稿
    【視点】

    子どもたちのデジタル機器使用で近眼が若年化傾向になっているそうです。1日2時間は屋外で過ごすとよいとありますが、さらに塾通いや習い事の増加で遊ぶ時間は減っています。IT企業や学習塾産業のビジネスのために、子どもの健康や発達に必要な、外での「

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