「子どもは親任せ」の為政者が進める少子化対策 小児科医の見方

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聞き手・武田耕太
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 「子どものことを何でも親に押しつける社会で、子どもが増えるはずがない」。青森県立中央病院成育科部長の網塚貴介さんは、そう話す。小児医療の現場で日々、障害児や医療的ケア児、その家族と向き合いながら感じる「少子化対策の課題」を聞いた。

 ――2024年に国内で生まれた日本人の子どもは、初めて70万人を下回る見通しとなりました。

 驚きはありません。政府は「異次元の少子化対策」と言いながら、子どものことで親が困っていても、まったく助けてくれません。

 いまの少子化対策は、障害や病気など、子どもに関するさまざまな「困りごと」をまったく想定していないように感じます。

 ――「異次元の少子化対策」を盛り込んだ政府の「こども未来戦略」には、障害のある子どもや医療的ケアが必要な子ども、家庭に対し「きめ細かい対応を行う」などと書かれています。

 実態は伴っていないと思います。

 こども家庭庁は障害児施策を管轄するようになりましたが、自治体レベルでは「育児支援」と「障害児支援」を管轄する部署が分かれ、少子化対策に障害に関する記述が何もないケースもみられます。

 少子化対策と言ったときに、不妊治療の支援、医療費の無料化など、いろいろ出てきます。それはそれで必要かもしれませんが、いまの少子化対策で根本的にまちがっていると思うのは、子育てするうえでの「困りごと」に何も応えようとしないしくみです。

 ――具体的に、困りごとに対応してもらえないケースとは?

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 例えば、早産で小さく生まれ…

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2025年2月13日12時0分 投稿
    【視点】

    「子どもがいたらいいだろうな」と思えないと、子どもをもつという決心ができない。子どもをもつことをためらったり子どもをもたないと決めていたりする人たちの背景にあるのは経済的な苦境だけでなく、周囲にいる子育てをしている人たちが直面している“仕事

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2025年2月13日12時39分 投稿
    【視点】

    ワーキングマザーが国に言いたいことをズバリ言っていただいた。そんな記事だと感じました。国は言ってることと、やってることが、これでもかというほど乖離があります。 共働き家庭の子育て環境は以前より良くなったと言われます。その一方で、疾患や障害の

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