第46回AIが作れば「児童ポルノ」ではない? 実在する被害者はいなくても

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篠健一郎 村井七緒子
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 大手のネットオークションサイトの検索画面に、「AI 少女」と打ちこむと、1万4500件の「商品」が表示された。

 制服のスカートをまくり下着を露出した女子生徒、下着姿で性器が一部見える女の子、上半身が裸で下着1枚で座る女性……。多くは性的な画像で、実写とほぼ見分けがつかない。AI(人工知能)が学習したデータを元に生成したもので、実在はしないとみられる。数百円程度で売買されていた。

 このサイトでは、「児童ポルノまたはそれに類する商品」の出品を禁じている。被写体の実年齢や、被写体が実在するかどうかにかかわらず、「18歳未満の者の性的な姿態を連想させるもの」は対象になる。

 ルールに抵触はしないのか。運営会社は取材に、こうした商品の出品を「認識している」とし、「対策としてパトロール強化などを行っている」と答えた。

投稿サイトにも多数 運営者「表現の自由

 別のフリマサイトでも、同様の商品が見つかった。投稿サイトに掲載されている例もあった。ある投稿サイトの運営者は取材に、「法律違反ではなく、表現の自由の範囲なのではないか」と話した。

 児童ポルノの所持や製造など…

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この記事を書いた人
篠健一郎
経済部|電機・IT業界担当
専門・関心分野
テクノロジー、AI、データ分析
村井七緒子
経済部|総務省担当
専門・関心分野
デジタル政策、AI、人権
  • commentatorHeader
    能條桃子
    (NOYOUTHNOJAPAN代表)
    2024年12月26日11時30分 投稿
    【視点】

    国際子ども権利センターの甲斐田万智子代表理事の「実在する『被害者』がいないとはいえ、子どもが性的に虐げられた画像に多く触れると、大人は子どもを性的対象として『モノ』のように扱うのだと思ってしまう。負の影響が大きい」という指摘はとても重要だと

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    インベカヲリ★
    (写真家・ノンフィクションライター)
    2024年12月27日15時41分 投稿
    【視点】

    こうしたものは、地下に潜って特殊な趣味としてコソコソ楽しんでもらえればいいと思うが、なぜか気づくと堂々と表に出てくるのがいつものパターンだから、人間の「慣れ」とはそういうものなのだろう。 最初はAIだったものが、幼女はエロいものという認識が

    …続きを読む

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