「居住実態がない」と議員辞職決議 山口県長門市議会が松岡市議に
山口県長門市議会は29日、市内に居住実態がないのではないかと指摘を受けていた松岡秀樹議員(61)=1期目=に対し、「被選挙権を有していないと判断せざるを得ない」とする議員辞職勧告決議を賛成13、反対3の賛成多数で可決した。
松岡議員は2020年12月に宇部市から長門市に住民票を異動し、21年4月の市議選で初当選した。その後、「(長門市内の)自宅にほとんどおらず、居住実態がないのではないか」との声が複数の市民から寄せられ、市議会は今年8月に政治倫理審査会を設置した。
5回にわたって開かれた審査会では、地域住民の聞き取りや電気水道使用量、車の走行距離などの調査を実施。10月22日に提出された報告書は「宇部市の住居が生活の本拠であると推認できる」と指摘し、自ら疑惑の解明にあたることなどを求める市議会議員政治倫理条例に違反していると結論づけた。
辞職勧告決議に法的拘束力はないが、南野信郎議長は取材に「決議は非常に重たい。出処進退を自らの判断で決めていただきたい」と述べた。
松岡議員は議会後の取材に対し、「週に1、2回宇部市に夜だけ泊まり、昼は長門市にいる状況でなぜ宇部市に住んでいると言われるのか。判断がまったく不思議だ」と反論。また「任期をまっとうし、長門のためにしっかり仕事をしていきたい」と述べ、来年4月に予定される市議選にも立候補する考えを示した。
公職選挙法は、市町村議員選挙の被選挙権について、3カ月以上市町村内に住所があることを要件としている。
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