仙台空港鉄道が71億円→1億円に減資へ 税負担圧縮で赤字解消目的
仙台空港アクセス線を運営する仙台空港鉄道(宮城県名取市、笹出陽康社長)が、累積赤字(欠損金)の解消のため、71億2900万円の資本金を1億円に減資する。開業から17年がたつが、乗客数が伸び悩み、苦しい経営が続いていた。出資した自治体などとの協議を経て、来年2月の株主総会で正式決定する。
同社の2023年度の累積赤字は79億7600万円。県からの貸付金の償還や車両設備の更新が迫っており、このままでは30年度の累積資金がマイナス1億1500万円と、底をつく見通しだった。
減資によって税法上は中小企業の扱いとなり、税負担を圧縮できる。このほか30年度に運賃を平均50円値上げするなどして、累積赤字の減少と経営改善を図るという。
仙台空港アクセス線は07年3月に開業。当初1日の乗客数を3万人と想定したが、過去最高となった昨年度でも1万900人にとどまった。
笹出社長は出資者の一つ、名取市の市議会で「仙台空港のお客様がそれほど伸びなかったのが第一。東日本大震災やコロナ禍の条件が重なった」と説明し、理解を求めた。
現在は、仙台―仙台空港間で1日88本を運行する。会社の出資者は県が半数以上を占め、ほかは仙台市、名取市、JR東日本など。
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