野洲の国史跡「大岩山古墳群」の亀塚古墳、帆立貝古墳と確定

松浦和夫
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 滋賀県野洲市教育委員会は、市内にある国史跡「大岩山古墳群」の一つ、亀塚古墳(同市冨波甲、冨波乙)が5世紀末から6世紀初頭に築造された帆立貝古墳であることが確認されたと6日、発表した。帆立貝古墳は前方後円墳より前方部が短く、在地産と思われる埴輪(はにわ)などが出土していることから、市教委は地元の首長クラスを埋葬した古墳の流れをくむものとみている。

 大岩山古墳群は古墳時代のほぼ全期間となる3世紀から7世紀にかけ、野洲川下流域一帯を治めていたとみられる首長の古墳群。山間地や丘陵下、平野部に築かれた8基が国史跡となっている。

 亀塚古墳は2007年度の調査で、円丘部の直径が約32メートルと判明した。だが、前方部が調査区域より外に伸びていたため、前方後円墳かホタテの貝殻の形のような帆立貝古墳かは不明だった。

 市教委は昨年11月から今年6月まで、地権者の同意を得て前方部の約105平方メートルを調査。その結果、前方部の長さは約15メートルと分かり、帆立貝古墳と確認できたという。

 亀塚古墳が造られたのと同じ時期、周辺の二つの場所で前方後円墳の越前塚古墳や天王山古墳が築かれ、韓式土器などが出土していることが分かっていた。市教委は二つの古墳は中央とつながりが強い人物を埋葬したとみており、亀塚古墳は古墳や土器が違うため、それらとは一線を画す在地の首長を埋葬した古墳とみている。

 現地説明会は29日午後1時半~3時に開催する。荒天中止。現場周辺に駐車場はなく、車以外での来場を。JR野洲駅から徒歩で約30分。野洲市役所から現地まで臨時バスを運行する。先着80人。申し込みは19日締め切りで、市教委文化財保護課(077・589・6436)へ。

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