「廃棄」される米、1日8トン 品薄でも変わらぬ食品ロスの実態

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山田暢史

 スーパーの棚から米が消えた。農協や卸売業者が保有する主食用のコメの在庫(民間在庫量)は、6月末時点で156万トンと、過去最低だ。一方で、大量の米が「廃棄」されている現場がある。

 8月22日午前、日本フードエコロジーセンター(相模原市中央区)を訪ねると、取引先の食品工場やスーパーなどから、おにぎりや米が大量に持ち込まれていた。コンビニの弁当も包装をはがされ、容器に入れられていく。本来食べられるのに捨てられる「食品ロス」になったものだ。

 同社は、約200の事業者からロスになった食材を集め、豚の飼料にリサイクルしている。炭水化物を中心に1日に約40トンの食品が回収される。2割ほどが米で、約8トンになるという。

なぜ食品ロスに?

 食品工場では、発注が来た際…

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この記事を書いた人
山田暢史
東京社会部|メディア担当
専門・関心分野
農林水産業、食、武道、災害
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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年8月27日10時36分 投稿
    【視点】

     賞味期限切れの食品を店が提供すれば問題になり、給食の余った牛乳を先生がもらって帰れば処分の対象になり、売れ残りの弁当をホームレスの人らに譲っていたコンビニ店も衛生面で批判され・・・というようなルールやコンプライアンスでがんじがらめになった

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    仲村和代
    (朝日新聞社会部次長)
    2024年8月27日11時45分 投稿
    【視点】

    以前、恵方巻きの大量廃棄を題材に、食品ロスの問題を取材した際、コンビニのオーナーが指摘していたことが印象的でした。「消費者は、実際に買うのは梅のおにぎり一つでも、たくさんの商品から『選ぶ』ことが当たり前で、棚に商品が少ないことをネガティブ

    …続きを読む