「自衛隊旧式装備、捨てたら勿体ない」元陸将が語るウクライナの教訓

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聞き手・牧野愛博
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 ウクライナ軍が最近、ロシア領を越境攻撃しています。陸上総隊司令官を務めた高田克樹元陸将は、ウクライナ支援をする各国が自国兵器の開発に向けたデータの収集も行っているのに比べ、日本は取り組みに遅れが目立つと語ります。自衛隊の旧式装備の廃棄見直しや退職自衛官の活用なども必要だと指摘します。

 ――ウクライナ軍がロシア南西部クルスク州に越境攻撃を仕掛けています。

 越境攻撃は、計画的なものだと考えます。ウクライナ軍としてはロシア領内を広くかつ深く攻撃・占領する企図はないと思いますが、ウクライナ東部ドネツク州のロシア軍兵力の転用を余儀なくさせる陽動作戦としての効果は大きいと思います。

 ――全体の戦況をどう見ていますか。

 ロシアはドネツク州の完全占領を目指していますが、6割程度にとどまっています。ウクライナ軍は砲弾が枯渇する状況を脱したようです。ロシア軍は砲弾が枯渇しているわけではありませんが、破壊された砲門がかなりの数にのぼっています。ロシア軍のS300、S400といった防空システムが多数、破壊されたため、防空能力も弱体化しているようです。

 ――ウクライナ軍の本格的な…

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この記事を書いた人
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
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    佐藤優
    (作家・元外務省主任分析官)
    2024年8月18日14時26分 投稿
    【視点】

     このコメントもモスクワで書いています。クルスク州でのウクライナ軍の軍事行動については、政府系テレビも詳しく報じています。西側の報道と比較しても、事実関係については大差がありません。  少なくともモスクワに関しては、人々は平静で、いつもと変

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2024年8月25日18時15分 投稿
    【視点】

    高田克樹元陸将が指摘されているとおり、今般の戦争では、ロシアが処分場に保管(というか放置)されていた大量の旧式戦車に修理と更新を施し、現役復帰させて戦場に送り込むということを盛んにやっている。これが「質より量」のロシアの攻撃を支えてきた。

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