自転車で万博へ、ルート整備進む 夢洲には駐輪場600台
2025年大阪・関西万博に向けて、大阪市此花区の夢洲(ゆめしま)の万博会場や、その近くまで自転車で行けるルートの整備が進められている。南北2ルートあり、自転車で来てもらうだけでなく、周辺で観光もしてもらえれば、という狙いもある。
歩行者や自転車が行き交う大阪府枚方市の淀川河川敷に6月、日本語と英語で「夢洲 40キロ」と書かれた青い看板が置かれた。万博のロゴも小さく描かれている。さらに富田林市の石川沿いには、自転車が走るルートを示す青色の「コースライン」が新たに引かれた。
日本国際博覧会協会(万博協会)は昨年、自転車を来場手段の一つと定めた。夢洲の万博会場東側には、600台分の有料駐輪場を設置する計画が進む。夢洲の南にある咲洲(さきしま)にも130台分の無料駐輪場が整備される。
「北」と「南」それぞれの方面から、万博会場へと向かうルートはこうだ。
北ルートは京都・嵐山方面から延びており、大阪・中之島付近を経て夢洲へ。南ルートは、大阪府南部のうち南の泉佐野市方面からと、東の太子町方面からがあり、それぞれ堺市を通って咲洲へとつながる。
大阪府と大阪市、堺市、京都府は以前から自転車の活用を掲げ、既存の自転車道と一般道を組み合わせてルートを整備する方針だった。万博開幕が来年4月に迫るなか、今年度中に一般道には走行レーンを設けるほか、案内看板を設置する。
安全対策にも力を入れる。大阪府警によると、昨年の交通事故に占める自転車関連事故の割合は3割を超える。
路面の案内では、日本語が分からない人にも伝わるように、ピクトグラム(図文字)を用い、英語表記を加えている。
ただ、万博期間中の夢洲周辺は、バスや物流車両も行き交う。夢洲と、その北側にある舞洲(まいしま)をつなぐ夢舞大橋などの区間では、事故を防ごうと、自転車には乗らずに押して歩道を通ってもらうようにする。
自転車ルート整備の目的の一つに、観光地を回ってもらいたいという考えもある。今後、各自治体はサイクリングマップ作成や、ルートを活用したイベントの開催を検討する。万博協会の担当者も「万博へ来て終わりではなく、周辺の観光地も楽しんでもらえれば思い出になる」と期待する。
ルートの延伸についても、南ルートの泉佐野市から、さらに和歌山方面へとつなげられないか検討するという。大阪府の担当者は「ルートを徐々に広げて、万博の一つのレガシーとして残してきたい」と話している。
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