「生き抜かねば」恩師の思い、聴衆に伝えるタクト ギタマン全国大会
曲の始まりは、哀愁を帯びたメロディーだった。だが、その指揮には、突くような激しさがあった。
「心に傷が残るような、悲しいできごと。その厳しさを指揮で表したい」
28日に「全国高校ギター・マンドリン音楽コンクール」の舞台に立ったノートルダム清心中・高(広島)の熊澤果歩さん(高2)は、曲にこめられた思いを会場に伝えなければとの決意を持っていた。
演奏曲の四つの楽章には、それぞれ名前がついている。
第1楽章は「悲しみの中で」。まるで、泣いているような旋律だ。第2楽章「明日への祈り」のゆったりとしたメロディーへと続く。
曲の題名は「道は険しくとも(西日本豪雨災害によせて)」。2018年に広島にも甚大な被害が出た災害を、肌で感じた恩師が書いた曲だ。
恩師とは、長く同校クラシッ…