ことでん新駅、複線化、車両新造などに国、自治体支援 国が計画認定
高松琴平電気鉄道(ことでん)琴平線伏石―琴電琴平間(27.9キロ)で、今後5年間をめどに新駅の設置や複線化などが進められる。電車も新造される。一連の計画を盛り込んだ鉄道事業の再構築実施計画が6月27日、国土交通相の認定を受けた。
地域の交通を持続可能にすることを目指した改正地域公共交通活性化再生法に基づく計画で、四国では初めて。
申請者は香川県と高松市など沿線3市4町、ことでん。事業費は96億8千万円。この計画に基づき国と県、市町が支援する。
改正法により道路などの建設に使われる交付金が鉄道関連にも使えるようになり、国の負担割合が3分の1から2分の1に拡充される。計画期間は7月5日から2029年3月末まで。
新駅は太田―仏生山間の高松市多肥上町に設置され、26年度末の開業を目指す。伏石駅に続く交通結節点として、市が駅の東西に路線バスのバスターミナルを建設する。
複線化は太田―仏生山間1.8キロで実施。ダイヤが過密な中、新駅設置で停車、行き違いの回数増によって所要時間が延びることを防ぐ。新駅や、この計画とは別に進められる栗林公園―三条間(1キロ)の複線化と同時の完了を目指す。
新型車両は26年度中にも導入を予定し、主に琴平線で運行される。安全輸送設備の更新を対象区間に限らず、全線で実施する。高松市と綾川町が実施している高齢者割引と、バスと電車を乗り継ぐ際の乗り継ぎ割引も計画に盛り込まれた。
事業費の内訳(見込み)は、新駅設置7億9千万円、複線化9億8千万円、車両の新造42億円。国が交付金で2分の1、残りの大半を自治体が負担する。安全輸送設備の更新には30億円を見込み、国、自治体、ことでんが3分の1ずつを負担する。
ことでんの植田俊也社長は取材に「対象区間は利用者が多く、今後の伸びしろも期待できる。国、県、沿線自治体にはご理解をいただき、本当にありがたい。地方交通再生のモデルケースとなるように全力で事業を進め、将来にわたって3線60キロの路線網を維持していきたい」としている。
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