偶然生まれた盗撮防ぐユニホーム ミズノ開発、五輪で日本代表着用へ

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福岡龍一郎

 アスリートを盗撮の被害から守る特殊な生地を使ったユニホームや練習着が、パリ五輪(7月26日開幕)の14競技で使われることになった。赤外線カメラで撮影しても下着や体が透けて見えにくい。もっとも、盗撮対策を考えて開発を始めた素材ではなく、速乾性を求めていた中で生まれたものだった。

 生地はスポーツ用品大手のミズノ(大阪市)が開発。同社はユニホームなどを提供する「サプライヤー契約」を国内15競技団体と結んでいる。この生地を使ったユニホームが、パリ五輪の女子バレー、女子卓球、女子ホッケーなど計7競技の日本代表に使われ、サーフィンをのぞく他の7競技でも練習着として利用されるという。

 近年、アスリートの盗撮被害が後を絶たない。スポーツの競技団体は対策として、大会での撮影許可制の導入などを進めている。ただ、駅伝など街中で大勢が集まるような大会では、観客の撮影を規制しきれない。また、手口が巧妙化しており、普通のカメラに似せて改造した赤外線カメラを使われると盗撮を見抜けない可能性があった。

 今回開発した生地は、赤外線を吸収する特殊な鉱物を練り込んだ糸を使用。赤外線カメラは赤外線を感知して撮影するため、体から出る赤外線を生地が吸収すれば、撮影が難しくなる。

 ミズノは20年近く前から盗撮対策の生地の開発に取り組んではいた。ただ、生地を厚くしたり、金属を練りこんだりすると、汗の乾きやすさ、生地の柔らかさを損ない、うまくいかなかった。

 一方で今回は盗撮対策のこと…

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