「昭和の感覚」自衛隊のずさん情報管理 国会も想定外の異例の事態

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田嶋慶彦 國吉美香 ワシントン=清宮涼
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 安全保障に関わる機密情報「特定秘密」の取り扱いが、その最前線に立つ自衛隊で適切に運用できていなかった。100人以上が処分される異例の事態からは、想定されていなかった法と現場のギャップが浮かぶ。

 「国民にご心配をおかけしていることにおわび申し上げる」。岸田文雄首相は訪問先の米ワシントン近郊で記者団に対し、自衛隊員の大量処分問題について陳謝した。

 11年前、与野党間で激しい議論が交わされた特定秘密保護法をめぐる国会審議では、国民の「知る権利」が大きな焦点となった。広範囲の情報が恣意(しい)的に秘密指定されるのでは、という懸念だ。しかし、今回明らかになったのは、法治国家としてあってはならない防衛省・自衛隊の「あまりにもずさん」(政府関係者)な運用の実態であり、当時の国会審議でも想定されたものではなかった。官邸関係者も「運用上の問題だ」と語る。

 そもそも機密情報の取り扱い…

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この記事を書いた人
清宮涼
アメリカ総局
専門・関心分野
外交、安全保障、国際政治